医療機関における医療安全および業務効率化に資する医薬品・医療機器のトレーサビリティ確立に向けた研究班

研究開発事業の概要

バーコード・RF‐IDの活用

本研究開発事業は、以下の手順で実施します。
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病院内におけるUDI活用のユースケースの検討

病院内において、GS1バーコードやRF-IDを用いるユースケースについて、実施している医療機関の情報を収集するとともに、医療機関における医療安全および業務効率化に貢献可能なユースケースの検討を行います。対象は、病棟業務、手術室・処置室業務、外来業務、部門業務、診療報酬請求業務、物品管理業務、卸業者・製造業者の院内預託在庫管理業務、貸出医療機器管理業務などを検討しています。

2

電子カルテ、部門システムの機能の現状の把握

現在稼働している各社の電子カルテシステム・部門システムを、検討したユースケースに関して、どのように活用できるかを考察します。それを実現する場合の、システムの課題を抽出します。

3

検討したユースケースでの、あるべき機能の検討

情報システムに必要な機能要件およびそれを利用した運用を、一般の病院でも活用可能な汎用性、一般化可能性を最大限考慮して、検討します。

4

院外物流と院内物流の連携の検討

製造から消費・会計までの一貫したトレーサビリティを確保するために、現在ほぼ情報化がなされていない医療機関における物品の発注・納品、預託、貸出機器管理のEDI化についての調査をおこないます。また、院外のトレーサビリティ情報の病院側での活用や、逆に、院内のトレーサビリティ情報の製造業者・卸業者での活用可能性も検討します。

5

手順書の作成

本研究の目的は、さらなる医療安全、業務の効率化・省力化に帰するためのUDIの普及にあります。その有用性は、これまでの研究で明らかにされており、それをより多くの病院で活用できるよう、手順書を作成する計画です。また、合わせて、電子カルテや部門システムが持つべき機能について、仕様書という形でまとめることも計画しています。ここで作成した仕様書を、電子カルテ調達の際に追記いただくことで、導入する電子カルテにUDIの活用機能が付加されるだけでなく、電子カルテパッケージの基本機能として装備されることを働き掛けていく予定です。

また、国際的なGS1ヘルスケアのネットワークを活用し、GS1ヘルスケア国際会議および、先進的な取り組みを行っている各国での状況について、聞き取り調査、文献調査をおこない、日本の状況に合わせた形での手順書、仕様書を作成いたします。